釣り針が刺さったときの応急対処。無理に抜かず受診する目安
釣り針が刺さったときは、無理に引き抜かず、まず釣りを中止して針と糸を動かないよう固定するのが基本です。深く刺さった場合や、かえし(返し)まで入った場合、顔や目の近くの場合は、医療機関に相談してください。
ここでは、現場でできる応急対処と、受診の目安、予防のコツをまとめます。最終的な判断は医師に従ってください。
釣り針が刺さったときの最初の対処
最初にすることは、釣りをやめて落ち着くことです。 慌てて動くと針が深く入ったり、周囲の人に針が掛かったりするおそれがあるためです。
- 竿を置き、足場の安全を確保して座る
- 針先に付いた糸を、針から近い位置でハサミで切る(引っ張られないようにするため)
- 針や周辺を触りすぎず、清潔なガーゼやハンカチで軽く覆う
- 出血があれば、針の周りを清潔な布で軽く押さえる
針を無理に抜かない理由
針先には「かえし」という逆向きの突起があり、引き抜くと皮膚や組織を大きく傷つける可能性があります。 自己流で抜いたり、押し込んで貫通させたりする方法は、状況によっては悪化につながるため、現場では避けるのが無難です。
針が刺さったとき受診する目安
かえしまで入っている、深い、場所が危険、のどれかに当てはまる場合は受診してください。 迷ったときも、早めの相談が安心です。
| 状況 | 対応の目安 |
|---|---|
| 目・まぶた・顔・首に刺さった | 動かさず、すぐ救急や医療機関へ |
| 手の関節・指先・爪の下に刺さった | 受診して処置を受ける |
| かえしまで入っている・深くて抜けない | 固定して受診する |
| 出血が止まらない | 圧迫しながら受診・救急へ相談 |
| 針や魚が汚れていた、海・川の水に触れた | 感染のおそれがあるため受診 |
| 浅く刺さり、かえしが入っていない | 状態を確認し、不安なら受診 |
受診前に伝えるとよいこと
いつ、どんな針(大きさ、かえしの有無)が、どこに刺さったかを伝えます。破傷風の予防接種の時期が分かれば、あわせて伝えてください。針が残っている場合は、動かさずに固定したまま向かいます。
救急への連絡と釣りの中止の目安
一人で動くのが不安なときや、目・顔・首のけがのときは、迷わず救急に相談してください。 運転は危険なため、同行者に頼むか救急車を検討します。
中止の目安は次のとおりです。
- 針が刺さった時点で、その日の釣りは中止にする
- 痛み、腫れ、しびれ、熱感が強くなったら受診する
- 帰宅後に赤みが広がる、膿が出る、発熱があるときも受診する
なお、救急車を呼ぶかどうか迷うときは、地域の相談窓口や救急安心センターの案内を調べておくと安心です。
釣り針が刺さらないための予防
針事故の多くは、仕掛けの扱い方を整えることで減らせます。 次の習慣を取り入れてください。
- 仕掛けを持つときは針に指を近づけず、針を竿のガイドや針ホルダーに掛ける
- 魚の針外しは、プライヤー(針外し)を使い、魚をタオルで押さえる
- 投げる前に、後ろや周囲に人がいないか声を掛けて確認する
- 帽子、偏光グラス、手袋などを着け、顔や手を守る
- 子どもと釣るときは、針の扱いを大人が担当し、距離を保つ
持っておくと安心なもの
ハサミ(ラインカッター)、ガーゼ、絆創膏、消毒用の水や清潔な水を救急セットにまとめておくと、慌てずに済みます。針外しやペンチも一緒に入れておくと、魚の針を外すときにも役立ちます。
まとめ
釣り針が刺さったら、抜かずに釣りを中止し、糸を切って固定することが第一です。かえしが入った、深い、顔や目に近いといったときは、医療機関に相談してください。日ごろから針の扱いを丁寧にして、安全に釣りを楽しみましょう。
よくある質問
- 針が刺さったあと、破傷風が心配です。何をすればよいですか?
- 釣り針は土や魚のぬめりに触れているため、刺さった場合は受診時に破傷風予防の接種歴を伝えると安心です。最後に接種した時期が分からない場合も、そのまま医師に相談してください。判断は医師に任せましょう。
- 刺さった針は釣り場の道具で自分で切ってもよいですか?
- 針先が出ていない状態での加工はおすすめしません。道具が滑ってけがが広がる恐れがあります。針が深く入っているときは、糸を切って針を動かさないよう固定し、医療機関で処置を受けてください。
- 他人の針が刺さったときも同じ対処でよいですか?
- 基本は同じです。まず釣りを止めて周囲の安全を確保し、針や糸を動かさないよう固定して、受診の目安に当てはまるか確認します。顔や目の近くは、本人が動かないよう支えて早めに救急へ相談してください。